乳幼児の食物アレルギーなぜ起こる?三大アレルゲンや食材に注意

乳幼児の食物アレルギーなぜ起こる?三大アレルゲンや食材に注意 子育て

食物アレルギーって何!?
食物アレルギーはなぜ起こるの?

原因は?
治るの?
予防はできる?

離乳食が始まると気になるのが食物アレルギー。

「ママがアレルギーだから子どももアレルギーになる」
「卵を食べるとアレルギーになる」

など、残念な誤解は少なくありません。
正しい知識を知って、不安を取り除きましょう。


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乳幼児の食物アレルギーなぜ起こる?

未熟な消化吸収能力のため、食べものが「異物」とみなされてしまから。

人間には、有害なものから体を守るシステムがあります。
そのひとつが「免疫」です。

たとえば、○○というウイルスに感染して病気になると、免疫細胞が○○ウイルスに対抗する武器「抗体」をつくります。

その後、○○ウイルスに再び感染すると抗体がこれに気づき、ウイルスを撃退して病気を防ぐのです。
予防接種はこの働きを利用したもの。

しかし、この免疫システムは、無害なものに過剰に反応することがあります。

それが、食物アレルギーです。

赤ちゃんの消化・吸収能力はとても未熟です。
そのため、体に入った食物がうまく消化されずに異物と見なされ、抗体ができてしまうことがあるのです。

食物が体に入るのは、食事からとは限りません。

空中に浮遊する成分を吸い込む、荒れた肌から体内に入る、といったことがままあります。

ウイルスではないので病気になるわけではありませんが、その段階で抗体ができると、次に体に入ったときにアレルギー症状が出るのです。

荒れた肌から食品のたんぱく質成分が入り込み、肌の免疫システムが「異物」 と判断して排除しようとする。

たんぱく質がうまく消化されないため、腸の免疫システムが 「異物」と判断して排除しようとする。

アレルギーを起こす物質を 「アレルゲン」といいます。

アレルゲンが体に入るルートは食べるだけでなく、皮膚から吸収されたり、吸い込んだりする場合があります。

乳幼児の食物アレルギー三大アレルゲン

何を食べると食物アレルギーが起こるの?

卵、牛乳、小麦だけでなく、どんな食べものでも起こる可能性があります。

食物アレルギーの原因は、食品に含まれるたんぱく質です。

たんぱく質というと肉や魚などが思い浮かびますが、実はどんな食品にもたんぱく質の成分は含まれています。

全く含まれないと断言できるのは水ぐらい。

ですから、すべての食べものがアレルゲンになる可能性があります。

中でも卵、牛乳、小麦は3大アレルゲンとされています。

ただ、これらに含まれる成分が特にアレルギーを起こしやすいというわけではないのです。

これらはどこの家にもあるため、空気中に浮遊する成分を皮膚から吸収して抗体ができていることが多く、その分アレルギーも起こりやすいと考えられています。

アレルギーはさまざまな食品で起こります。
林檎や桃などバラ科の果物のアレルギーが意外に多いことがわかり注目されています。

乳幼児が食物アレルギーを起こしやすい食材

鶏卵 38%
その他 21%
牛乳 16%
小麦 8%
甲殻類 6%
果実類 6%
ソバ 5%

その他には魚類、大豆、ナッツ、肉類などが含まれます。

食後2時間以内にじんましんやせき、呼吸困難などのアレルギー反応を起こして医療機関を受診した人の原因食品の割合。

いちばん多い原因食品の卵はどう与えたらいいか?

卵白より卵黄のほうがアレルギーを起こしにくいので、最初は固ゆで卵の黄身をひとさじから。

与える時期を遅らせないほうが卵アレルギーが起こりにくいので、7~8カ月のモグモグ期から食べさせます。

すでに食物アレルギーが出ている場合、基本は除去。
かかりつけ医とよく相談してください。

食後2時間以内に症状が出なければ、まずは大丈夫だと思われます。

乳幼児の食物アレルギー症状

食物アレルギーの症状は?

<卵アレルギーの症例>

・皮膚の痒み、腫れ、ブツブツ
・じんましん
・目の充血
・唇や舌の腫れ
・くしゃみ
・鼻水、鼻づまり
・腹痛
・吐きけ
・下痢


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いろいろな症状が出ます。

軽症なら、様子を見ているうちに自然におさまることもあります。
一方、重い症状が出た場合はできるだけ早く受診します。

おかしいと思ったら5分おきに症状確認を。
悪化するなら迷わず受診してください。

Check!
「すぐ病院へ」危険な症状

●顔色が悪く、ぐったりしている
●声がかすれるような激しいせき込み
●呼吸が速く、 息が苦しそう
●くり返し吐き続ける、激しい腹痛がある
●全身にじんましんが広がり機嫌が悪い

はじめての食品を食べさせるとき

なるべく受診可能な時間帯にひとさじから。

食物アレルギーでは、食後2時間以内に症状が出てくる「即時「型」が一般的です。

はじめて食べさせてみて、食後2時間症状が出なければ、まず大丈夫です。

逆に食後2時間以内に症状が出たときには、軽症なのか重症なのかを見きわめる必要があります。

症状がおさまっていくのか、進行していくのか、5分ごとに様子をチェックしましょう。

最初は軽症でも、だんだん悪化していくことがあります。
赤ちゃんから目を離さないで、悪化していくようなら迷わず受診しましょう。

乳幼児の食物アレルギー治るって本当?

多くは自然に治ります

食物アレルギーの赤ちゃん

3才で約50%が食べられるように

6才で約80%が食べられるように

小学校入学までにはほとんどの子が卵・牛乳アレルギーを克服。

食物アレルギーは、成長とともに減っていきます。

特に3大アレルゲン(卵、牛乳、小麦)と大豆アレルギーは治りやすいといわれています。

個々の食べものがどのくらいの割合で食べられるようになるのか、残念ながら正確なデータはありません。

大まかには卵アレルギーと牛乳アレルギーは3才までに50~60%、6才までに80~90%が治るとされています。

つまり、小学校に入学するころまでには、ほとんどの子が卵・牛乳を食べられるようになるのです。

ではなぜ「治る」のか?

それは、未熟な消化・吸収機能が発達し、免疫システムが食べものを異物ではなく食べものと認識できるようになるからです。

赤ちゃんの食物アレルギーの対処の基本は、アレルゲンの除去を続けて体の機能が発達するのを待つことです。

「念のためにあれもこれも除去」をしては、かえって治りにくくなります。

食物アレルギーとのつきあいでは、医師の指導が欠かせません。
正しく診断を受け、必要最小限の除去をするのが克服への近道。

自己判断で食べられるものまで除去したり、「これぐらいなら」と試しに食べさせてみたり、といったことをしないでくださいね。

食物アレルギーの治療はしないの?

積極的な治療はあまりしませんが、アレルギーの程度によっては、原因食品を症状が出ないギリギリの量まで食べる指導が行われることがあります。
ただし、その量を自己判断するのはとても危険。

必ず医師の指導のもとで行います。
ちなみに、食物アレルギーがあっても離乳食のスタートは遅らせません。

乳幼児の食物アレルギーQ&A

Q.はじめて卵を食べた翌日に体にしっしんが出ました。
卵の食物アレルギーなのでしょうか?

A.食物アレルギーでは食後2時間以内に症状が出る「即時型」が一般的です。
その間に特に症状がなく、翌日しっしんが出たのであれば、食物アレルギーとは無関係と考えていいでしょう。

Q.親がアレルギー体質ではないので心配する必要はないと思うのですが?

A.親がアレルギーだから子どもが食物アレルギーになる、あるいは親がアレルギーではないから子どもも食物アレルギーにならない、という科学的根拠はありません。
誰でもアレルギーになる可能性があります。

Q.卵アレルギーがあります。
卵以外の食品を食べさせるのも不安なのですが…。

A.除去しなければならないのは、食べるとアレルギー症状が出る食品だけです。
卵以外の食品を、親の判断で勝手に除去してはいけません。
また、離乳食の開始を遅らせることもしません。


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