養が偏っていると起こることがあります。
鉄不足
↓
●鉄欠乏性貧血になってしまう
たんぱく質不足
↓
●体重が増えない
●背が伸びない
●筋力がつかない
カルシウム不足
↓
●骨が弱くなる
●背が伸びない
塩分・糖分のとりすぎ
↓
●肥満になる
●将来の高血圧や高血糖につながる
野菜不足
↓
●便秘になる
●かぜをひきやすい
●肌が乾燥しやすい
食べるものでカラダは作られる
食べるものでカラダはつくられます。
離乳食から、減塩&バランス食を。
食が豊かになったから健康かというと、そうではないんですよ。
出生体重は減少しているし、身長・体重は伸び悩み、くる病や骨折も増加傾向。
高血圧・高血糖の生活習慣病予備軍は小学生にも多い。
離乳食から栄養が極端に偏っていたり、濃い味を続けていくと、将来の病気リスクは確実に高まってしまいます。
乳幼児の塩分摂取は必要量の200%超えなのに、カルシウムと鉄の充足率は50%前後とのデータもあるんです。
日本人がこれまで長寿で、肥満や生活習慣病が少なかったのは、「だし」がベースの和食だったから。
食事の嗜好は幼少期に決まるため、赤ちゃんを甘党にしちゃう、濃い味に走らせちゃう、ということなくだし(うまみ)が好きな舌を育てあげたいですね。
そう思っていても、好き嫌いは多いし、気まぐれだし……。
M娘も一時期、私があまりに和食を出しすぎて(笑)、白米を拒否した時期がありました。
そこで、1日3食のうち1食はパン、うどん、パスタを入れてメリハリをつけたら、全部食べてくれるように。
ごはんとおかずを別々でなく丼にしたら、食べてくれたことも。
かつおだしのほかにも、白身魚、サーモン、あさり、豚肉、鶏肉など、うまみの出る食材はよく使います。
サーモンをゆで汁を製氷皿で冷凍しておいて、リゾットに入れたり。
「だし」が好きな舌を育てることは親の役目です。
3つの栄養源をバランスよく食べるにはどうすればいいか?
栄養素にはそれぞれ役割があり、互いに助け合って働きます。
だから、3つの栄養源グループからバランスよく食べることが大事!
<熱や力のもとになる食品>
ゴハン、パン、うどん、いもなど。
パン、めんばっかりになってしまうことありますか?
1日2食は「米」にしたい!
離乳食は「おかゆ」からスタートしますね。
米(おかゆ)は消化吸収がよく、パンやうどんと違って塩分を含まないので、それだけで減塩になります。
水分が多く、善玉菌のエサになるでんぷんを含むため、便秘を防ぐメリットも。
また、米が主食なら献立が和食になるので、魚のDHAや大豆製品のレシチンなど、脳にいい脂質もたっぷりとれます。
育脳のためにも1日2食は、米が主食の「和食」にすることをオススメします。
<米を食べるメリット>
□消化吸収しやすい
□塩分が入っていない
□和食にすることで脳によい脂質をとれる
□水分、糖質が多く、腸内環境をよくする
糖質を多く含み、体と脳を動かすエネルギーになる。
糖質は体温をつくり出したり、脳を働かせたり、体のすべてを動かすためのエネルギー源。
活動量の多い赤ちゃんには欠かせません。
<体の調子をととのえる食品>
野菜、果物、茸、海藻など。
うちの子、野菜を全く食べない?
野菜は調理テクニックが命。
カラフルなほど栄養素が増える。
野菜は苦手な子も多いですが、できれば種類をいろいろ食べると、とれる栄養素もふえます。
本能的には好きではないとしても、食べさせて脳に味をインプットしていくことで、味覚の領域も広がっていきますよ。
ハンバーグやつくねにまぜて見えなくしてもよいし、繊維が苦手ならブレンダーでポタージュにする、酸味が苦手なら粉ミルクで甘くしてあげる、など。
テクニック勝負で、あきらめずにがんばりましょう♪
ビタミン・ミネラルが多く含まれる食品は、どれも栄養素の代謝吸収を助けたり、肌や粘膜を強くします。
・まぜ込む
・ポタージュにする
・ミルク味にする
<体をつくる食品>
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など。
たんぱく質は食べすぎダメ?
でも、毎日食べることは必須。
筋肉は24時間、分解と合成をくり返していて、材料であるたんぱく質は今この瞬間瞬間で、使われています。
筋肉をつけて、体重を増やし、身長を伸ばそうと思ったら、1日3食でたんぱく質を食べることは必須です。
魚・肉・卵・乳製品・大豆製品の5つのたんぱく質源食品は、カルシウムや鉄の供給源でもあり、それぞれに魅力が違います。
どれか1つに偏らずに、食べられる月齢になったら、少しずつスタートしましょう。
たんぱく質源食品は鉄やカルシウムが多いことも魅力。
これら魚・肉・卵・乳製品・大豆製品の5つは脳、骨、筋肉、血液などの材料になります。
体をつくる材料のたんぱく質は、不足すると成長不良になる心配も。
毎食、毎日、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品から適量をバランスよく食べることが大事。
赤ちゃんの鉄不足対策
離乳食期の貧血は気づきにくい。
鉄は不足しがちだから要注意!
吸収率25%
動物性食品のヘム鉄で効率よく鉄をとろう!
・牛赤身肉
レバーは調理が苦手という場合も、牛ひき肉なら簡単。
脂肪の少ない赤身を選び、おろしにんじんといため煮にするなど、しっとり仕上げるのがコツ。
・赤身の魚
まぐろやかつおなど、赤身の魚は刺し身がお手軽。
パサつくと食べにくいので、ゆでたらこまかくほぐし、おかゆにまぜるほか、スープ煮などに。
・卵
卵は卵黄に鉄が豊富。
卵焼きやスクランブルエッグ、かき玉汁、卵がゆ、 卵パンがゆなど、栄養価が高くていろいろな料理に使いやすいのがメリット。
・赤身肉
牛赤身肉が高いときは、豚ヒレ肉や豚赤身肉を利用しても。
ごはんにまぜて炊いてピラフにしたり、肉だんごスープなどにすると食べやすい。
吸収率3~5%
植物性食品の非ヘム鉄も貴重な供給源になる。
青菜
・ほうれんそう
・小松菜
大豆製品
・豆腐
・納豆
・きな粉
・高野豆腐
海藻
・のり
・青のり
・ひじき
ビタミンCを含む食品といっしょにとると吸収率UP
ビタミンCには鉄を吸収しやすい形にし、ヘモグロビンの合成を促す作用があります。
ビタミンCが豊富な野菜やくだものといっしょに調理することで、鉄の吸収率を高めましょう。
母乳は親子ともラクだけれど、貧血のリスクは高まります。
何カ月くらいから、貧血に気をつけたほうがいいか?
乳幼児期の貧血は、生後6カ月から2才くらいまでにとくに注意したい鉄欠乏性貧血です。
赤ちゃんのときはわかりにくく、親が気づけないことが多いんです。
普通に離乳食を食べていても、貧血になってしまう?
完全母乳で、離乳食を始めたのが遅かった、おっぱい好きで食べないという子は要注意。
母乳中の栄養が落ちているのに、そのぶんを離乳食で補えないので。
母乳の栄養は生後半年でガタ落ち。
その事実、まだ知らないママもいるかも。
栄養は減っても、糖分はふえ甘くなっていくから、赤ちゃんはどんどん母乳が好きになる。
親も母乳のほうがラク。
気持ちはわかるけれど、それが発育発達にはよくないということ。
貧血になると、どんな症状が出るか?
鉄は脳の中枢神経の発達に必要不可欠な栄養素。
不足すると、少しの刺激でよく泣く、落ち着きがない、発語が遅れる、物覚えが悪い、などの様子が見られます。
でもこれらの発達の問題が鉄不足にあると、気づかないこともあるんです。
赤ちゃんの貧血は、大人より深刻なんです。
赤ちゃんはおなかにいるときに鉄(貯蔵鉄)を蓄えて生まれますが、貧血のママの子は貯蔵鉄も少ないんです。
また、出生体重が少ないほど、貯蔵鉄も減ります。
早産や、低出生体重児は貧血のリスクが高まるのです。
「鉄をとるのにオススメの食材は?
鉄は残念ながら、吸収率の低い栄養素だし、食材も限られます。
動物性のヘム鉄のほうが吸収率がよいので、9カ月以降はレバーや牛・豚の赤身肉、まぐろ、かつおなどをぜひとり入れてください。
ゴックン期、モグモグ期は、植物性の鉄も貴重です。
鉄不足が心配であれば、9カ月以降、フォローアップミルクに切り替えるのもひとつの方法です。
<鉄欠乏性貧血のリスクが高い子>
□低出生体重児だった
□早産だった
□ママが妊娠中に貧血だった
※妊娠後期に母体の鉄が赤ちゃんに移行するため。
□完全母乳
□離乳食を始めたのが遅い
□たんぱく質をあまり食べない
乳幼児貧血は早期に見つけることで、発育発達の遅れを防ぐことができます。
「もしかしてうちの子、貧血かも?」と思ったら、早めに医療機関で相談を。
母乳中の栄養はどんどん減っていく!
出産直後の母乳はパーフェクトな栄養源。
ところが、生後6カ月ごろには、たんぱく質、鉄・カルシウムなどの栄養素は激減してしまいます。
赤ちゃんのカルシウムとビタミンDの不足対策
骨を強くするには「魚」がオススメ。
レパートリーを増やしていきましょう。
適度に外遊びしないとビタミンD不足で骨が弱くなるかもしれません。
骨が歪曲してしまう「くる病」も、完全母乳でカルシウムやビタミンDが不足している子に多いです。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨の成長に不可欠。
日光に当たることで皮膚で合成されるため、過度なUVケアで日光浴の時間が減っていることも問題なんです。
紫外線を避けているママも、骨が弱くなるということ。
ビタミンDはママ世代が一番不足しています。
日照時間の短い地域や冬季には、ビタミンDを含むオイルなどを活用することもオススメ。
カルシウムとビタミンDをどちらも豊富に含む食品は「魚」だけなので、骨を強くするためにぜひ親子で食べて。
野菜といっしょにこんなメニューにしてみては?
・キャベツとうま煮
熱湯で塩抜きしたしらす干しと、刻んだキャベツに水を加えて煮る。
・トマトといため煮
かじきまぐろと、皮と種を除いたトマトを角 切りにし、いため煮に。
・かぼちゃとあえて
熱湯で塩抜きしたしらす干しをやわらく加熱したかぼちゃであえる。
・かぶと蒸し焼き
生鮭と、 厚めに皮をむいたかぶを角切りにし、
水を加えて蒸し焼きに。
魚には脳の材料になるDHAもたっぷり。
魚に多く含まれるDHAは、脳の神経細胞の主な成分となって、記憶や学習などの働きを高めてくれます。
赤ちゃんの脳の発達のためにも、離乳食に魚をとり入れましょう。
赤ちゃんの塩分・糖分とりすぎ対策
塩味&甘みは赤ちゃんが好むからあげる頻度と選び方に気をつけてください。
離乳食には無塩うどんや無塩バターをチョイス。
原材料もチェックしてください。
「うちの子、パンとうどんが「好き」というママは多いですが、塩けがあるからなんです。
パクパク食べてくれる理由は、「塩分」だった。
塩分が多いものをダメとはいわないですが、朝昼晩が小麦製品にならないように。
また、選び方も工夫してみてください。
うどんは無塩うどん、バターは無塩バターを使えばいいし、チーズは幼児用やカテージチーズなら低塩&低脂肪。
なんとなく、手にして買ってしまいがちだけれど、原材料もしっかりチェック。
糖分もとりすぎ傾向です。
子ども用のイオン飲料や野菜ジュースも、体にいいように思えて、塩分と糖分はしっかり入っています。
甘いものは親もやめられないから反省。
大人のお菓子を子どもに与えないように気をつけましょう。
<塩分が多いので気をつけたい食品>
・うどん
無塩タイプを活用してみる。
・パン
実は塩分が入っている。
・ハム
離乳食期は避けたい。
・チーズ
低塩の幼児用があります。
・はんぺん
練り製品は塩分が多い。
・しらす干し
必ず湯通しして使う。
・ツナ缶
食塩、オイル無添加がいい。
・せんべい
大人用は与えないでください。
<糖分が多いので気をつけたい食品>
・大人用のお菓子
甘いお菓子は大人だけにしてください。
・ジュース
野菜ジュースも糖分は多いですよ。
・イオン飲料
普段から飲む必要ありません。